ジムの継続率を高めたいなら。入会後30日の通い方を一緒に決める
エアトレ編集部
この記事の要点
- 初回案内のゴールを、一人で次の利用を始められることに置く。
- 忙しい日の通い方と、次に来られそうな日を本人と決める。
- カルテに決めた内容を残し、最初の1か月で使いにくさを確かめる。

入会時には「週に何度も来たい」と話していた会員が、2回目から足を運ばなくなる。案内は済ませたはずなのに、どこで困ったのか分からない。そんなときは、入会手続きの先にある「一人で通う場面」を見直してみましょう。
今回は、来館が減った会員への再フォローとは別に、入会直後の案内を考えます。最初の30日は、店舗で施策を試す期間の例です。30日で習慣が身につく、継続率が上がると示された期限ではありません。
初回案内は「説明した」より「一人でできた」を確かめる
更衣室、チェックイン、マシン、アプリ。説明する項目が多いと、初めて来た人には覚えきれません。初回から全設備を使えるようにするより、次に来たときの動きを一緒に確かめます。
例えば、本人にチェックインを試してもらい、荷物を置いてから、今回使うマシンまで歩いてもらう。シートの調整や、困ったときにスタッフを呼ぶ方法も、その場で確認します。
最後に「分かりましたか」と聞くだけでは、質問をためらう人もいます。「次に来たら、最初に何をしましょうか」と聞くと、説明が足りなかったところを一緒に見つけられます。
案内する内容は、施設の設備と本人の経験に合わせて絞りましょう。運動の負荷やフォームは、担当トレーナーが本人の状態を確認して決めます。
忙しい日に使える、短い利用方法も用意する
毎回しっかり運動する予定だけでは、仕事が長引いた日に通うかどうか迷います。普段のメニューと一緒に、「時間が短い日はどうするか」も相談しておきましょう。
「今日は長くいられない」ときに、どの設備を使い、どこで終えるか。短いメニューを本人と決めておけば、来館後に考え込まずに済みます。具体的な内容はトレーナーが調整し、体調の悪い日は休めることも伝えます。
次の案内に向けて、会員が気に入った運動も聞いておきましょう。初心者を追跡した2021年の研究では、運動を楽しむ動機や「続けられる」という自信、周囲からの支援と、定期的な運動との関連が報告されています。関連を調べた研究であり、好きな運動を選べば退会を防げると証明したものではありません。
次の来館は、生活の予定に合わせて決める
「また来てください」で終える前に、次に来られそうな曜日や時間帯を聞きます。「仕事帰りに寄る」「休日の買い物の前に来る」など、本人の用事と合わせて考えると予定を具体化できます。
予約が必要な施設では、その場で予約方法も試してもらいます。自由利用の施設では、来館の目安を本人が決めます。通える回数をスタッフが一方的に求めないようにしましょう。
予定どおり来られない日もあります。別の日にずらす、短い利用にする、休んで次の予定から再開する。その選び方まで話しておけば、予定を守れなかったことだけを気にせず相談できます。

最初の30日に、何を担当するかを決める
新規会員への対応を、気づいたスタッフだけに任せないようにします。次の表は、担当者と会員が通い方を確かめるための運用例です。来館の頻度やスタッフの配置に合わせて時期を調整してください。
| 時期 | スタッフの対応 | 確かめること |
|---|---|---|
| 初回利用 | チェックインから運動開始まで一緒に試す | 一人で利用を始められるか。困ったとき誰に聞くか |
| 初回の帰り際 | 普段と忙しい日のメニューを整理する | 次に来られそうな日と、短い利用方法 |
| 2回目の利用 | 前回の内容を見て、使いにくかった点を聞く | 迷った操作や、待ち時間で困った設備はあるか |
| 1か月の区切り | 当初の予定と実際の通い方を見直す | 今の生活で続けられる頻度・時間・内容か |
接点が増えれば継続率が上がる、と決めつけないことも大切です。新規会員への電話とメールによる初期支援を調べた無作為化比較試験では、トレーナー利用の予約は増えた一方、来館数や会員期間への効果は確認されませんでした。
連絡回数を目標にするより、本人が困っていたことを解消できたかを確認しましょう。連絡する場合は、希望する方法や頻度も聞き、返信や来館を急かさないようにします。
エアトレでは、案内した内容をカルテと宿題に残す
エアトレの管理ツールでは、会員の活動や運動カルテを確認し、個別の宿題メニューを設定できます。入会直後の案内で決めた内容を残し、次の担当者も同じ記録から話せるようにします。
例えば、初回に使った種目と確認した点をカルテに記録し、自宅で取り組む内容があれば宿題メニューに設定する。次の来館で、前回の説明と本人の感想を確かめて調整する、という流れです。ジムでのメニューと、自宅用の宿題は区別して案内してください。
会員が来館前に日々の運動について相談したいときは、アプリのAIトレーナーも使えます。ただし、AIへの相談だけで施設独自の利用ルールや予約が確定するわけではありません。設備の使い方や予約の変更は、施設の窓口へ案内します。
機能の使い方は、ジム向けページと機能一覧をご覧ください。自店の初回案内にどう取り入れるかは、資料請求・導入相談で確認できます。
予約数だけで、継続の成果を判断しない
案内を終えた人数や、トレーナーの予約数は、施策が届いたかを見る指標です。会員が通い続けたかとは分けて確認します。
まずは、初回案内を受けた新規会員のうち、2回目の利用があった人数と、次回利用で困った内容を確認します。入会時期が同じ会員を対象にし、観察する期間と数え方をそろえましょう。初回の利用をまだしていない人と、初回案内のあと来ていない人も分けます。
継続率は、入会時期ごとに、一定期間後の在籍を確認します。2回目の利用が増えても、それだけで退会が減ったとは言えません。季節やキャンペーン、会員層の違いも残し、前後の数字だけで効果を断定しないようにします。
継続率の定義と来館が減った後のフォローは、以前の記事「ジムの退会を防ぐには」で説明しています。今回は、そこに至る前の初回案内を見直す取り組みとして使ってください。
参考にした情報
- Gjestvangほか「What Makes Individuals Stick to Their Exercise Regime?」2021年。初心者の運動継続に関連する要因の追跡研究
- 「The effect of initial support on fitness center use in new fitness center members」2021年。初期支援に関する無作為化比較試験
- エアトレのジム向けページ・機能一覧
出典は2026年10月28日に確認しました。表と案内の会話例は編集部の提案で、導入企業の実績や効果を示すものではありません。