健康経営で睡眠を扱うには。夜の連絡と働き方から見直す
エアトレ編集部
この記事の要点
- 睡眠の啓発と一緒に、退勤後の連絡や翌朝の予定も見直す。
- 急ぎの用件を分け、返信が必要な時間と連絡先を決める。
- エアトレは日々の相談に使い、勤務の調整や医療相談とは分ける。

夜、仕事のチャットに通知が届く。急ぎではなさそうでも、返事をしないままでは気になる。翌朝には早い会議があり、結局いつもと同じ時間に起きる。
「よく眠りましょう」と案内する前に、職場で変えられることがあります。今回は、従業員の寝る時刻を管理するのではなく、仕事を終えて休みに入りやすくする方法を考えます。
睡眠の話を、夜の過ごし方だけで終わらせない
厚生労働省の睡眠ガイド2023では、睡眠時間に加えて、眠って休まったと感じる「睡眠休養感」も重視しています。必要な睡眠には個人差があり、勤務形態や家庭の事情も関わります。
研修で生活習慣を伝えることはできます。ただ、退勤が遅い、勤務後も返事を求められる、翌朝の予定が動かせないといった事情は、本人だけでは変えにくいものです。
人事や現場の責任者が最初に見たいのは、仕事が休息の時間に入り込んでいないか、という点です。残業の実態とともに、連絡や会議の慣行も確かめてみましょう。
夜の連絡は「返信をいつ求めるか」まで決める
送る側は翌朝に読んでもらうつもりでも、受け取る側はすぐに返さなければと思うことがあります。「時間外の返信は不要です」と伝えるだけでなく、急ぎの連絡と通常の連絡を分けておくと判断しやすくなります。
次の表は、日中勤務が中心のチームで話し合うための例です。全社共通の正解ではなく、顧客対応や交替勤務の体制に合わせて調整してください。
| 場面 | 決めておきたいこと | 運用の例 |
|---|---|---|
| 通常の業務連絡 | いつまでに読めばよいか | 勤務時間外に届いた連絡は、次の勤務時間内に確認する |
| 翌日でよい依頼 | 夜に送る必要があるか | 予約送信を使い、相手の勤務開始後に届ける |
| 急ぎの障害・事故対応 | 誰に、どの方法で連絡するか | 当番と緊急連絡先を決め、全員への一斉連絡を避ける |
| 管理職からの依頼 | 返事の期限が明確か | 勤務時間内の期限を示し、時間外の既読や返信を求めない |
ルールは、管理職も同じように使って初めて伝わります。夜に返信した人だけを褒めたり、翌朝の返信を責めたりすれば、「返信不要」という案内と食い違ってしまいます。
緊急対応が必要な仕事は、通知を切るだけでは済みません。当番の負担や対応後の休息も含め、労務担当者と運用を整理しましょう。
遅い退勤と、翌朝の予定を一緒に見る
遅くまで働いた日の翌朝に会議が入っていないか。繁忙期だけ、同じ担当者の終業が遅くなっていないか。週全体の予定を見ると、個別の残業時間だけでは気づきにくい問題があります。
勤務間インターバル制度は、勤務終了から翌日の始業までに一定の休息時間を設け、生活時間や睡眠時間を確保する仕組みです。退勤後の時間が、そのまま睡眠に使えるわけではありません。通勤、食事、家事などの時間も必要です。
朝の定例会議を別の時間に動かす、担当者を増やす、締め切りを調整するなど、仕事の組み方も検討します。始業を遅らせるだけで、終業も同じだけ遅くなるなら、業務量の見直しが残っています。
交替勤務や夜勤のある職場では、日中勤務を前提にした一律の時刻設定は使えません。勤務表と休息の取り方を、産業医・保健師などと個別に検討してください。
朝に聞くのは、就寝時刻より「困っていること」
「昨日は何時に寝たのか」と上司が毎日確認すると、私生活への立ち入りになりかねません。職場で聞きたいのは、時間外の連絡を断りにくい、遅い勤務の翌朝がつらい、といった仕事上の困りごとです。
例えばチームの振り返りで、「返信を次の勤務時間まで待てたか」「夜に対応せざるを得なかった用件は何か」を確かめます。連絡ルールを使えなかった理由が分かれば、例外の決め方や人員配置を見直せます。
本人の体調や睡眠について相談を受けた場合は、業務上の困りごとを扱う場と、健康相談の窓口を分けます。相談内容をチーム全体へ広めたり、就寝時刻やアプリの利用状況を人事評価に使ったりしない運用が必要です。

朝の過ごし方を表した生成イラストです。睡眠改善の効果や導入企業の実例を示すものではありません。
エアトレでは、生活に合う小さな行動を相談する
勤務時間や連絡ルールは、会社が見直すことです。そのうえで、本人が日々の過ごし方を考えたいときに、エアトレのAIパーソナルトレーナー相談を使えます。
例えば、次のように予定と希望を伝えます。
明日は日中の勤務です。昼休みに少し外を歩きたいのですが、使える時間は5分ほどです。無理なくできる過ごし方を一緒に考えてください。
提案の中からできそうなことを選び、翌日の予定に入れてみましょう。眠る時間を削って運動や記録を増やす必要はありません。AIへの伝え方は、相談するときに伝えたい3つのことでも紹介しています。
エアトレには健康アンケートもありますが、睡眠時間を自動で計測したり、睡眠障害を診断したりする機能として紹介するものではありません。職場で利用する場合は、使う設問や閲覧範囲を法人向けの導入相談で確認してください。
眠れない状態や、強い眠気が続くときは
連絡や予定を見直しても、不眠や日中の強い眠気が続き、生活や仕事に支障が出ている場合は、産業医などの相談窓口や医療機関へ相談してください。睡眠ガイド2023でも、こうした状態が続く場合の受診を勧めています。
管理職やAIだけで原因を決めず、本人が相談しやすい窓口を案内する。職場では業務量や勤務予定を調整する。この二つを分けて進めましょう。
参考にした情報
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」2026年10月27日確認
- 東京労働局「勤務間インターバル制度をご活用ください」2026年10月27日確認
- エアトレの機能一覧・法人向けページ